会社設立手順

1 会社の基本事項を決める

(1) 会社名を決める

 株式会社○○○、○○○合同会社のように会社名を決めて下さい。社名の前後には株式会社(合同会社)の文字を入れなければなりません。アルファベットも使用できます。

 

(2) 本店所在地を決める

 本店所在地とは会社を登記する住所のことです。自宅や新たに借りる事務所を本店所在地として決めます。本店所在地を変更した場合には、登記変更手続きや税務署等への変更届の提出が必要となりますので、移動の可能性が低いと思われる場所に決めて下さい。

 

(3) 資本金を決める

 資本金とは会社設立時の元手となるものです。いくらでもいいですが、1000万円未満にすることをおすすめします。1000万円以上にしますと、消費税を支払う義務が生じます。また1000万円を超えますと、地方税の支払う金額が多くなります。

 

(4) 会社の事業目的を決める

 会社で行う事業内容だけでなく、将来行う予定の事業も含めて検討して下さい。

 

(5) 出資者を決める

 会社の資本金を出資する出資者を決めて下さい。

  1. 株式会社の場合
     株式会社の出資者を株主と言います。起業者が1人株主となることもできます。株主が複数人いる場合には、株式持分比率を慎重に決めて下さい。意見の相違等で会社運営に支障をきたす場合があります。経営者は過半数以上の株式を保有することをおすすめします。
  2. 合同会社の場合
     合同会社の出資者を社員と言います。合同会社では社員全員が経営者となります。
    株式会社と違い、出資比率に関係なく各自が同等の議決権を持ちます。

 

(6) 役員を決める

 取締役の数は1名以上いれば良く、自分1人で起業する場合には、起業者が代表取締役となれば良いです。
外部株主が入る場合には、取締役会(取締役3名以上、監査役1名以上)の設置も検討して下さい。

 

(7) 会社設立日を決める

 すべての手続きがおわり、書類を法務局に提出する日です。会社の設立記念日で重要な日となりますので、大安にする等「六曜」を確認する方も多いです。なお土日祝は法務局が休みのため会社設立日とすることはできません。

 

(8) 事業年度を決める

 事業年度とは、法人にとっての1年間のことです。例えば、3月決算というと、4月1日から翌年3月31日までとなります。この期間で決算を行い決算書を作成し、株主総会で株主に報告し、税務申告書を作成し、税務署等に申告納付します。

 設立日を例えば2月15日とし、事業年度を3月決算としますと、初年度は2月15日から3月31日までで決算を行わなければならず、時間的に余裕がなく大変です。余裕が持てるように、通常、事業年度を設立日から遠い日(12月決算又は1月決算)とします。

 

 

2 印鑑を作成する

 法務局へ設立登記申請をする際に、代表取締役の印鑑が必要となります。その他銀行印・角印・住所等のゴム印も一緒に作っておくのが通常です。

 

 

3 定款を作成する

 会社の基本事項が定まったら、定款を作成します。定款とは、会社の基本的な規則を定めたものになります。主に、社名や所在地等の会社自体に関わる事項と、株主に対する規則や取締役に対する規則、発起人情報等が載っています。

 定款の記載事項は大きく分けると、以下の3つになります。

  1. 絶対的記載事項
     定款に必ず記載しなければならない事項で、1つでも欠けると定款が無効になります。商号、目的、本店所在地、発行可能株式総数、出資される財産の価額又は最低額、発起人の住所・氏名
  2. 相対的記載事項
     記載しなくても定款自体は有効ですが、定款に記載しなければ効力の生じない事項です。
  3. 任意的記載事項
     個々の会社の必要に応じて記載する項目であり、設立時の取締役や事業年度等の内容を記載することができます。定款への記載は会社の自由とされている事項です。

 

 

4 定款を認証する

 定款が完成しましたら、公証役場で定款の認証手続きをします。定款の認証では以下のものを公証役場に提出する必要があります。

  1. 株主全員の印鑑証明
  2. 収入印紙4万円
  3. 定款認証手数料5万円
  4. 定款3部
     定款3部のうち、公証役場の控えとなる定款に収入印紙を貼ります。

 

 

5 出資金を払い込む

 定款の認証手続きが完了しましたら、資本金の払い込み手続きをします。タイミングが重要であり定款の認証日以降の日(当日を含む)に、銀行で振込み手続きをします。

 資本金の払い込みは、株主(発起人)の個人口座に振り込みます。出資する金額を、振込人の名前が印字されるように振り込んで下さい。株主が複数人いる場合は、代表となる株主の個人口座に振り込んで下さい。

 

 

6 登記申請書類を作成・申請する

 資本金の払い込みが完了しましたら、以下の登記申請書類を法務局へ提出します。問題がなければ1~2週間で登記が完了します。

  1. 登記申請書
  2. 登録免許税の収入印紙を貼付した台紙
  3. 登記すべき事項を保存したCD-R
  4. 定款
  5. 発起人の決定書
  6. 取締役の就任承諾書
  7. 代表取締役の就任承諾書(取締役が1名の場合不要)
  8. 監査役の就任承諾書
  9. 取締役全員の印鑑証明書
  10. 払込を証する書面
  11. 印鑑届出書